​NHK100分de名著 キャンベル「千の顔をもつ英雄」第4回 帰還 - 社会への還元

- 映画・テレビ鑑賞
番組HPより)
神話のゴール地点は、英雄が元の世界へ帰還するシーンである。試練を通して成長を遂げた英雄は、元の世界に帰還し、獲得した秘宝などによって大きな恵みをもたらすのだ。

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アメリカの神話学者ジョーゼフ・キャンベルの著「千の顔をもつ英雄」を読み解くシリーズの最終回です。

英雄の冒険の神話のうち、最後のプロセスの「帰還」を読み解きました。

英雄は帰還するとき、獲得した戦利品や成果を元の世界へ還元することができれば、円環型の物語はハッピーエンドとして終わりを迎えます。

ところが、帰還を邪魔する者と出会ったり、英雄自身が現世への帰還を迷ったりして、帰還もひと筋縄ではいかないということです。映画や小説などの物語でも思い当たるシーンがあり、人間の詰めの甘さを感じるお話でした。

最後に、現代は神話は存在しにくいというお話がありました。
キャンベルは、現代は「時間の移り変わりが早く、物語が形成される余裕がない」と言っているそうです。

例えば、現代はSNSで物語というよりは、その場その場での個人の語りがばらまかれる時代で、物語が構築されていく余裕が少ない時代ではないかということです。

司会の伊集院さんが、SNSでどう言われようとも 世の中の時流が変わろうとも、「だからこそ、自分はこの人生を生きたという物語を、自分の中に持っておくことが大事」と話されていたのが印象的でした。