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番組HPより)
ことし創立150年を迎えた上野の東京国立博物館。その所蔵品の中から選(え)りすぐりの国宝を徹底調査する。
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創立150年を迎えた東京国立博物館の所蔵品から、選りすぐりのお宝を紹介した回です。
150年前、日本で初めて開催された博覧会の際、全国からいろいろな貴重な品々が集められ、それを保存する施設として東博が造られたということです。現在、東博では89件の国宝を所蔵し、その数は国宝全体の1割に当たるそうです。
番組では、古墳時代の国宝から埴輪「桂甲の武人」、平安時代の国宝から日本刀「太刀 銘 三条」、江戸時代のお宝から浮世絵「見返り美人図」の紹介がありました。
このうち「見返り美人図」は、菱川師宣の作で、筆で直接描いた肉筆画の傑作とされ、「未来の国宝」とも言われるそうです。菱川師宣は、江戸初期に活躍し、浮世絵を確立した絵師で、「浮世絵の祖」とも呼ばれるそうです。
見返り美人図は、女性の後ろ姿を描いた構図で、髪型や着物の模様、帯の結び方など、前から見えない最新の流行を強調する狙いがあったということです。着物は、高価な絵の具である赤色で描かれ、花の模様には金が使われていました。
江戸時代の初め、狩野派などが武家や貴族のために花鳥風月を題材に描いた屏風などが一流の絵とされ、庶民のための絵である浮世絵は価値が低いものとみられていたということです。
そんな中、見返り美人図は、師宣が最高の技と材料を使い、浮世絵を一流の域に高めようとしたかもしれないものだそうで、未来の国宝と言われる所以がよく分かりました。