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番組HPより)
1200年ほど前に僧侶・空海が開いた高野山金剛峯寺。真言密教の総本山だ。その寺の白ぶすまに、千住博氏が史上初めて筆を入れた。足掛け6年に及んだニューヨークでの創作風景に密着。
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空海が開いた高野山・金剛峯寺。そのふすま絵に挑んだ日本画家・千住博さんの6年に及ぶ創作の記録です。
寺の心臓部・大主殿にある2つの間(ま)のふすまだけ、なぜか絵が描かれておらずこれまで白いままになっていたそうで、次の1000年を見据えてふすま44面に絵が描くというもので、大きな覚悟をもって臨む千住さんの創作の様子を映していました。
構想段階で、空海の世界にふさわしい絵のモチーフは何かを、1年以上かけて日本各地を旅してまわり、空海と対話を重ねるようにして考え続け、そしてたどりついたモチーフが、2つの間をある2つの自然のテーマで描くというもので、対照的な2つのモチーフだと思いました。
それらを絵で表現することは困難を極めましたが、試行錯誤を繰り返しながら、自らに妥協せず描き上げようとされていました。特に、ある部分にこだわって描かれていましたが、それに関して絵を寺におさめた日に思いがけないことがあり、千住さんが感慨深そうにしていたのが印象的でした。