概要(Amazonより)
小川洋子の同名小説を映画化。記憶が80分しかもたない天才数学者の博士、その博士のもとで働く家政婦、10歳の息子が織り成す美しく温かい交流を描いた感動作。
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記憶に障害がある数学者の博士と、家政婦とその息子の交流を描いた物語です。
当時10歳だった息子が成長して数学教師になり、ある日、教室で生徒たちに自分の過去を話すかたちで物語が進みました。
明るい快活な家政婦さんで、博士が次の日には家政婦さんのことを忘れてしまっても嫌がらず、てきぱきとお世話をして爽やかなヒロインでした。
博士は、記憶が80分しかもたないこともさることながら、何より数学をこよなく愛する浮世離れしたような人物で、その言動がユーモラスでした。
はじめはその風変わりな言動に家政婦さんは戸惑いますが、しだいに距離が縮まって、しばらくして彼女の息子も博士の家に訪れるようになり、3人で過ごす時間がほのぼのとした雰囲気で、それが淡々と進んでいく感じがよかったです。
博士は数字や数式にまつわるいろいろなことを2人に話してくれて、
その一つ一つが世界の不思議さや真理に通じるような奥深いものでした。終盤に、タイトルの意味するところが明らかになって、それが3人の関係を表しているような話で素敵でした。