NHKヒューマニエンス「“怒り” ヒトを突き動かす炎」

- 映画・テレビ鑑賞
番組HPより)
動物に比べ、ヒトの怒りは複雑だ。ヒトの歴史の光と影から垣間見える、複雑な怒りの意味を妄想する。

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怒りをテーマにした回です。
ヒトと動物の怒りの違いや、怒りの沈め方などの紹介があり、ためになりました。

怒りは、いろいろな感情の中で一番エネルギーを使う感情だそうです。

動物は「今ここで」しか怒りませんが、人間は怒りをぐっとこらえてため込む特徴があり、また第三者の立場から怒るのもヒトだけの特徴だということで、ヒトの怒りがとても複雑だと知りました。

怒りの歴史では、霊長類における怒りは、本来、互いを認め合うために使われるもので、「怒りと和解はワンセット」だそうです。

もともと相手との間で平和的な共存を達成するために使われたのが怒りで、ゴリラやチンパンジーはケンカした後、対等な関係や上下関係を認めて和解し、それが群れの結束を作りだしてきたということです。

これは古代の人類にも共通した怒りの使われ方だったと考えられていますが、農耕牧畜社会になって、ヒトはその使い方を見失ったということです。

農耕牧畜社会になって、人類は作物を栽培するため特定の土地に定住して、どんどん縄張りを拡大。より大きな集団を築き始めると、集団と集団が隣接する状況が生まれ、縄張り争いをするようになり、さらに集団どうしの大規模な争いを繰り広げるようになったそうです。

そして現代、怒りの矛先は、集団の境界線が見えにくいインターネットの世界となり、そこにはもはや和解は前提にないということでした。

怒りは、もともとネガティブなものではなかったそうですが、人間だけがそう思い込むようになってしまったのは残念に思われました。
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