NHKスペシャル「北の海 よみがえる絶景」

- 映画・テレビ鑑賞
番組HPより)
北海道の海で、アイヌや地元漁師に語り継がれる「幻の絶景」がある。冬、夜明けとともに真っ白に染まる海。春、海原に突如現れる謎の大渦。そして初夏、みるみるうちに貝で埋め尽くされる海底。今、極めてまれに起こると思われていた、こうした絶景の目撃が相次いでいる。

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北海道の海で次々と目撃されている不思議な現象の真相に迫った回です。

石狩湾では、幻の景色として語り継がれる「海が白く染まる」現象が最近、目撃されるようになったということです。

その正体は「群来(くき)」と呼ばれるニシンの群れが引き起こす現象で、今回、その神出鬼没の現象の撮影に挑みました。何台もカメラを用意して何日もねばり強く待って、そして撮影することができ、上空から見ると漁港一帯の海域が真っ白に染まって神秘的でした。

これはニシンの繁殖行動の際に見られるもので、なぜ白く染まるのか、実験でそのしくみの解説があり、そこには繁殖率を高めるためのニシンのしたたかな戦略があるということでした。

そして、なぜ群来は、最近になって再び現れたのか?その背景に、北海道の漁業の歴史が関係していました。

明治から大正時代、「魚に非ず」と漢字で書いてニシンと読むほどニシンが無尽蔵に捕れて、ニシン漁は北海道の一大産業だったそうです。しかし、長年の乱獲と環境の変化でニシンが激減。群来も見られなくなったそうです。
このため、地元の漁業関係者はニシンの復活に取り組み、長い時間をかけて稚魚の放流や資源管理を地道に続けたことで、およそ半世紀ぶりに復活した光景でした。

このほか、「海面に突然現れる巨大な渦」と「大量の貝で埋め尽くされる海底」の現象にも迫り、これらも、おびただしい数の海の生きものたちが見せる壮大な自然の営みによるもので、かけがえのない光景に思われました。
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