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番組HPより)
古都・奈良の聖林寺(しょうりんじ)の「十一面観音菩薩立像」は、日本初の国宝の一つ。その優美で繊細な造形美は比類ないとされる。
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奈良・聖林寺の国宝・十一面観音菩薩立像を巡る物語を紹介した回です。
写実性や質感など類まれな造形美が多くの人々を魅了してきたという仏像で、今回、科学的に分析して美の秘密に迫り、その魅力に触れました。
仏像の背後にある「光背」が珍しい飾りであるのも特徴の一つで、この光背がこの仏像の誕生に関係していて、1300年前の奈良時代、どうしてこの仏像が作られたのか紹介がありました。
明治時代には、神仏分離令が定められて仏像が破壊される事態になり、十一面観音も危機に襲われますが、仏像を守ろうとする人々によって奇跡的に守られたそうです。
その中心人物がアメリカ人のアーネスト・フェノロサで、仏像の破壊に心を痛め、十一面観音をどうにかして守りたいと行動を起こし、それが後に古社寺保存法が定められ、国宝の制度につながったそうで、異国人でありながら日本美術を心底愛した人だったのだと思われました。