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番組HPより)
「塩」は生命にとって魔性の存在だ。栄養を摂取できたり、脳が思考できるのは、塩の“魔力”のおかげだ。塩の魔力から生まれた進化を妄想する。
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「塩」と人間の進化の関係を探った回です。
人の体における塩の役割や、塩がどのような進化をもたらしたのかなど、初めて知ることばかりで興味深かったです。
塩の最も基本的な働きとして、栄養素の吸収があるそうです。
糖などの栄養素が、細胞の中に取り込まれるとき、細胞膜に扉があり、この扉から中に入る必要があるということです。しかし、栄養素単独ではこの扉を開けることができず、そのとき扉を開けるカギとなるのが、塩に含まれるナトリウムでした。これはシンポーターと呼ばれるメカニズムで、塩は扉を開ける「カギ」であり、栄養の「運び屋」だということです。
また、塩は「電気の運び屋」でもあるそうです。
この性質を利用して発達したのが「脳」で、脳の中に張り巡らされている神経に信号を伝えているのが、ナトリウムが発生させる電気だということです。人が考えたり、動いたり、痛みを感じたり、すべての働きがこのナトリウムが発生させる電気信号によって行われているそうです。MCの織田さんも言っていましたが、電気回路のように電気で動いていて、まさにコンピューターと同じだと思いました。塩によって、人間は複雑な動きをすることができ、人類は高度な文明を築いたということでした。
こうした様々な役割をする塩を含んだ人体の体液は、塩分濃度0.9%で厳密に維持しているということです。さらに、人だけではなく、陸上に住む動物はすべて体液0.9%で、海に住む魚も含めた大半の生物が0.9%で統一されていて、なぜ0.9%が最適なのかはよくわかっていないそうで、生命の不思議を感じるお話でした。