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番組HPより)
父方のルーツは金沢市にあり。酒造りを営む家に生まれた江戸時代の先祖が、芸事が好きということもあって狂言師となる。その子孫たちは幕藩体制の崩壊や世界恐慌、戦争といった危機の中で狂言を守り、次世代へ伝えていく。
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狂言師・野村萬斎さんの家族の歴史をたどった回です。
先祖がどのようにして狂言と出会ったのかが明かされました。
父方の野村家は、江戸時代、石川県の金沢で酒造りをしていて、その先祖の1人が、加賀藩の能楽の舞台に、町人の中から参加できた町役者として出演するようになり、町役者でありながら高い評価を得て、加賀藩お抱えの狂言役者になったということです。
しかし明治になると、幕藩体制が終わり、藩からの収入もとだえて一変。
5代目は、東京に移り住み、狂言役者として身を起こそうとしますが、一からのスタートで厳しい道のりでした。それでも、しだいに評価を受けるようになり、祖父である6代目の頃には狂言界の中核になったそうです。
この祖父と結婚した西村梅子さんが、商家の才女で、公演の営業をしたり収支の管理をしたりしてプロデューサー役を担い、野村家のために大きな働きをされたということです。
攻めの姿勢で新しいことにどんどんチャレンジして、野村家の狂言を存続させるともに、人間国宝になる息子を3人も育てたすごい方でした。
萬斎さんの母方は、母が筋金入りの文学少女だったという阪本若葉子さん。祖父が詩人、曽祖父が県知事や名古屋市長を歴任。さらにさかのぼると、江戸時代、先祖が徳川家の側近の武将だったということで、こちらもすごい家系でした。
萬斎さん自身は、狂言の枠を超えて映画や演劇、テレビなどいろいろなことに挑戦してきて、家族の中で僕だけちょっと特殊(異端)かなと思っていたそうですが、今回ふり返って、家族がみんな意外と特殊だったと言って苦笑いされて面白かったです。