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番組HPより)
各界の本好きが自身の本棚をたっぷり紹介し、道しるべとなって本の魅力を語りつくす。1回目は角田光代さん。自宅には天井までつながる壮大な本棚が角田さんを包み込む。
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作家・角田光代さんが、自身の本棚にある本をピックアップしてその魅力を紹介した回です。
ご自宅に本棚部屋があり、階段に沿って壁一面が本棚で壮観でした。
単行本や雑誌、漫画などさまざまなジャンルの本が並んでいて、思い出深い本や転機となった本の紹介がありました。
なぜたくさんの本を読むのか?の質問に、「本を読むことは単純に喜びだと思う。ここではないところに行けた喜びのようなものがある。読書は旅に出るようなもの。」というふうに話されていました。
作家としての転機となった本が、開高健の小説「輝ける闇」だったそうです。開高さん自身がベトナム戦争に従軍した壮絶な経験が元になっている小説で、開高さんはこの本の中で自分は「匂いを書きたい」と書いていたそうです。
角田さんは作家デビューして悩んでいた頃に、この本と出会い、「何かを書くときにそこまで、自分自身の体を使って体験しに行って、それを本当に伝わる言葉で書く」という姿勢に感銘を受けたということです。
以前は小説を書いて売れたらいいと思っていたものが、これを転機に、「目指しているものが、すごく遠くなった」と。続けて「どこを目指すのか分からない。自分の想像できるところじゃない、書くことでしか行けないところに行きたいんだと思う。」と話されていたのが印象に残りました。