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番組HPより)
世界の自動車業界に急速に広がる“EVシフト”。震源地・EUでは官民一体となって主導権を握ろうと始動。世界の自動車産業の構図がどう変わるのかを描き、日本が世界で戦うための課題をみていく
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これまでのガソリン車に変わって、CO2を排出しない電気自動車(EV車)に転換するEVシフトが、世界で急速に進んでいるということです。その最前線を追った番組です。
EVシフトを加速させているEUは、2035年までにガソリン車の販売を禁止する方針を打ち出しているそうです。その中心地フランスでは、政府が強力に後押しして官民一体で推進することで、自動車市場の主導権を握ろうとしていました。
EV車の販売数では、先頭を走るのがアメリカのテスラ社で、そのテスラを中国の自動車メーカーが猛追している状況だそうです。
一方、日本は、これまで世界の自動車市場を席巻してきましたが、EV車の販売では大きく水をあけられ、EV市場では出遅れているということです。
そうした中、本格的にEVシフトに舵を切ったのがホンダで、2040年までにガソリン車をゼロにしてEV車を販売する大胆な方針転換をしたということです。EV車はまだ航続距離が短いことがデメリットになっているそうですが、航続距離を伸ばすための研究が続けられていました。
一方、トヨタは、EVへの極端な転換について疑問視していました。
日本は充電スタンドが整っていないことや、フランスなど他国と違って日本は火力発電が中心のエネルギー政策のため、EV車が普及すればするほど火力を使ってCO2を排出することになり、日本はまだ環境が整っていないと考えていました。そこで、あえて選択肢をEV車だけに絞り込まず、ハイブリッド車、水素エンジン車など同時並行で開発・販売するという独自の戦略で脱炭素社会を生き抜こうとしているということでした。
EV車はエンジンが不要となり、ガソリン車に比べて部品の数が大幅に減るため、そのためEVシフトが進めば雇用が失われ、日本でも雇用に大きな影響が出ると懸念されているそうです。雇用も含めた自動車業界の構造が大きく変わる、転換点にさしかかっていることを感じる番組でした。