(番組HPより)
日本最後の秘境とも言われる北海道・日高山脈を描き続けた画家・坂本直行。原野を開墾し山と草花を描いた直行のメッセージとは。
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北海道・日高山脈を描き続けた画家・坂本直行さん(1906-1982)の足跡をたどった番組です。
直行(なおゆき)と読みますが、親しみを込めて「ちょっこう」さんと呼ばれていたそうです。幼少の頃から自然が好きで、学生時代に北海道内各地の山に登ってはスケッチを繰り返し、そして初めて訪れた十勝で日高山脈と出会い、日高山脈に生涯をかけて向き合い、描き続けたということです。
坂本龍馬の子孫で、裕福な家に育ち、親から坂本家に見合った仕事に就くことを望まれますが、直行さんは、十勝の原野を借金をして買い、原野を開墾して、農作業をしながら絵を描いたそうです。
住まいは電気も水道もない掘っ立て小屋、つねに借金を抱え、絵の具を買うことも簡単ではなく、暮らしは貧しかったそうですが、「目の前に広がる日高山脈と原野はすべてを忘れさせてくれた」と話していました。画家として生計を立てていたわけでなく、自分だけの楽しみとして絵を描き、20年以上この原野で過ごしたということです。
ある日、1人の彫刻家が訪れ、その絵に感動し、画家として生計をたててはどうかとすすめられ、直行さんは53歳のとき、残りの人生を絵に捧げることを決意。原野を離れ、町で画家としての暮らしを始め、まもなくその名が知れ渡ったそうです。
十勝を出てからも直行さんの心は原野を離れることはなく、若き日に心奪われた日高山脈を、生涯をかけて描き続けた孤高の農民画家でした。