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番組HPより)
作家・池井戸潤の作品群のなかでも“傑作”との呼び声が高いクライムノベル「七つの会議」。「結果がすべて」そんな考え方が今なお続くある企業。きっかけは社内で起きたパワハラ騒動だったが、そこに隠されたある謎が会社員たちの人生、そして会社の存在をも揺るがすことに…。
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中堅電機メーカーで起こる不祥事に立ち向かう社員たちを描いた物語です。
「結果がすべて」という方針の、ノルマに厳しい軍隊のような会社で、親会社と下請け会社との間の中堅メーカーで働く社員たちの苦悩や葛藤が描かれていました。
主人公は、万年係長のぐうたら社員で、ひょうひょうとしていてミステリアスな人物でした。この主人公に盾突いた人たちがなぜか人事異動で他に飛ばされるという不可解な事が次々と起こり、前半は、2人の社員が主人公が抱える秘密を探っていく視点で物語が進みました。
社員2人が主人公の周辺を調べていくと、謎だった部分の真相が少しずつ浮かび上がり、そして、それらの根源に会社を揺るがすような重大な秘密があったことが明らかに...。
かつては優秀な社員だった主人公の悲しい過去も、しだいに明らかになり、後半は、真実に向き合おうとする熱い人物として、前半とは真逆の描写で描かれていて引き込まれる展開でした。
終盤、幹部らが集まる会議で、黒幕の正体が判明し、最後はすっきりとした結末を迎えて面白かったです。