(
番組HPより)
解剖学者・養老孟司さん(83)の穏やかで鮮やかな暮らしを見つめる。昨年12月、養老さんの相棒ともいえる愛猫・まるが永い眠りにつきました。まるがいなくなったあと、養老さんはどんな日々を送っているのでしょうか。
---
養老孟司さんの今夏の日々をつづった回です。
昨年12月に愛猫・まるを見送り、養老さんは鎌倉の自宅でまるのいない毎日を過ごされていて、撮っておいたまるの写真を見返したりして少し寂しそうに見えました。
この夏は、自宅で過ごす以外に、夏の庭を見にお寺に行かれたり、虫の供養のための法要に参加されたりし、また鹿児島・奄美大島へ旅に出かけられました。
奄美大島は59年前、養老さんが医学部を卒業したときに初めて訪れた地だそうです。そこで当時の夜、趣味の虫採りに出かけたそうで、かすかな記憶を頼りに虫採りをしに来た神社を探し、その境内をもう一度訪れることができて感慨深そうでした。
日々の中で、いろいろな深い話もされました。
一つは、「どういう状況なら自分が落ち着いて安定していられるか」ということが、それぞれの人が分からなくなっているということです。そんなの分からなかったら生き物として最低でしょうと言っていました。それで養老さんはまるを見ていたそうです。猫を見ていると、猫は余計なこと考えないで居心地のいいようにしているそうで、養老さんが以前にも話していた「まるは世の中を見るものさし」だったという言葉がより印象深く感じられました。