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番組HPより)
中国山地の西部に不思議な姿をした山がある。広島県の深入山(しんにゅうざん)だ。斜面の半分は森、もう半分には草原が広がる。春から夏、深入山を訪ねる。
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春から夏、広島県の深入山(しんにゅうざん)に息づく生きものたちを見つめた回です。
斜面の半分は森、もう半分は草原という不思議な姿をした山でした。
この独特の景観は、草原部分を牛の放牧などに利用するため、毎年春に人が山焼きをして草原の環境を維持してきたもので、250年以上続くということです。
草原には、湧き水が作り出す沢や湿地が点在していて、絶滅が心配されるチョウ、ヒメシジミの貴重な生息地になっているそうです。
ここがヒメシジミの生息地になっているのは、キセルアザミという草が生え、幼虫はこの葉を食べて育つためということです。キセルアザミが好んで生えるのは開けた沢や湿地で、山焼きで大きな木が育たない深入山は格好の生育場所となり、人の営みが守って来たこの環境だからこそ、ヒメシジミは生きていけるということです。
約40種のチョウが見られるチョウの楽園であるほか、ホオジロやモズなど様々な鳥が息づいていて、人と山の関わり合いが生み出した環境が多様な生きものを育んでいました。