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番組HPより)
モノにあふれた現代人にとって重要なテーマ「整理整頓」。その理由の1つは、複雑な思考の舞台、脳のワーキングメモリの制約にあるという。私たちの想像を凌駕する「整理整頓」。神髄に迫る。
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整理整頓をテーマにした回です。
いろいろな分野の研究者たちに整理整頓について話を聞き、さまざまな観点からその神髄に迫りました。
研究者たちの研究室の部屋も見せてもらい、本であふれているごちゃごちゃの部屋もあれば、最小限の量の本だけ置いている部屋もあって個性的でした。
試しに、どこにどの本があるか見つけられるか実験を行いましたが、ごちゃごちゃしている部屋の研究者の方のほうが、すぐに本を見つけることができて面白い結果でした。その方は、「部屋は私の脳を反映したもの」で、「一見ごちゃごちゃに見えるけれど、何がどこにあるか私は完全に把握している」ということでした。
整理整頓の起源にも迫りました。
旧石器時代は、狩猟採集生活で食料を求めて各地を転々とするため、整理整頓の意識は低かったと考えられるそうです。約1万年前、農耕と定住生活で、物の食料の所有とともに本格的な整理整頓が始まったと考えらるそうです。
物を配置していくことによって、空間の秩序が生まれ、社会の秩序につながっていったと考えられ、整理整頓は社会そのものを大きく変えていったということです。
また、定住生活はごみなどの整理整頓が必要不可欠で、それが共同体の結びつきを強くし、共同体の規模も大きくしていったと考えられ、文明を加速させていく原動力になったということです。
身近な整理整頓ですが、人間の根源的なものにつながっていて、とても奥深い世界でした。