福岡県朝倉市にある三連水車は230年以上、水田を潤してきた
産経新聞
筑後川の右岸を流れる「堀川用水」。福岡県朝倉市菱野には、三連水車が置かれ、この地区の田畑を潤してきたといいます。稼働しているものとしては日本最古といわれるそうです。
途切れることなく柄杓が水をくみあげる「バシャーバシャー」という音が響きます。
毎年6月17日に「山田堰通水式」が行われ、神事の後、水門が開かれるといいます。水車が回り始めると田植えが始まり、10月上旬の稲刈りまで続き、冬になると動きをとめます。
水車は木製のため劣化し、5年に1度、造り直す必要があるといいます。分解組み立て費や材料費、日常の管理費など行政の支援があるとはいっても、基本は土地改良区で農業を営む人たちの賦課金で賄われるそうです。水車大工の継承も課題だといいます。
先人たちの知恵で、一帯に水の恩恵をもたらし、記録的な豪雨で土砂に埋もれることがあっても、何度も苦難を乗り越えてきたといいます。さまざまな思いを背負いながら、水車は今日も回り続けます。