名機PC-98いまだ現役 在庫1000台専門店に迫る
朝日新聞(2020年7月)
昭和から平成の始まりにかけて国内市場を席巻し、「キューハチ」と呼ばれ親しまれたNECの名パソコン「PC-98」シリーズ。リモートワーク隆盛のいまも、根強いニーズがあるそうです。
PC-98は、NECが1980年代から販売していた16/32ビット機。
当時、ピーク時の国内シェアは少なくともビジネス向けで8割、個人向けで5割以上あったとされます。
その後、シェアが落ち、2000年が最終モデルとなったとのこと。
ところが、工場の生産ラインやインフラ管理の現場では、いまだ現役で稼働し続けているそうです。
トラブルに困ったユーザーが駆け込むという専門業者の一つが、「PC-98のミシマ」(静岡県伊豆の国市)。代表の井口智晴さん(38)が15年ほど前、他店でPC-98の扱いが大きく減っていたのに気づき、古いマシンに特化した事業を思い立ったといいます。
工場以外でも、社内の経理システムで使い続ける経営者や、楽曲制作の機器として愛用し続けるミュージシャンなど、「キューハチでないと駄目」とこだわる得意客が少なくないといい、井口さんは「仕方なく使い続けるというよりも、『このパソコンでないと良い仕事ができない』と、愛着を抱く人が意外と多い」と印象を語っています。