ペルー先住民の農業技術「ワルワル」 気候変動対応で復活
AFPBB news
空から見ると、宇宙人が作ったような巨大な円形の模様が眼下に広がっています──。これは、ペルーのプーノにあるアンデス高原で、気候危機と闘うために農家の人々が復活させた、いにしえの農業技術だといいます。
2000年前にボリビアとの国境付近で行われていた農業技術「ワルワル)」が、ジャガイモやキヌアなどの栽培に使われているそうです。
プーノは標高3812メートルに位置するチチカカ湖の湖畔に位置。
農家の人々は、水害に見舞われやすい畑の近くに六つの「ワルワル」を作りました。
長方形の溝があり、そこで植え付けが行われます。
水に囲まれた苗床は長さ100メートルにもなり、作物の周囲にある水が微気候(狭い範囲の気候)をつくり出し、日中は太陽からの熱を吸収し、夜間にはその熱を放射して霜が降りるのを防ぐといいます。
昨年、プーノが過去60年で最悪規模となった干ばつに見舞われた際、この「ワルワル」が水不足に対処し、食糧不足の回避に役立ったそうです。