守りたい 北の大地のアイドル(動画)

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守りたい 北の大地のアイドル
産経ニュース

「ピチッ、ピチッ」
山麓の岩場に、甲高い鳴き声が響き渡る――。

声の主はエゾナキウサギ。
日本では北海道の大雪山系や日高山脈などにだけ生息するウサギの仲間です。氷期が終わり、山岳地帯に暮らすようになったことから「氷河期の生き残り」「生きた化石」とも呼ばれるそうです。

体長は約15cm。ウサギらしからぬ小さい耳に、つぶらな瞳。
愛くるしい姿で、道内外から一目見ようと多くの「ナキウサギファン」が訪れるようになったそうです。

しかし今、岩場にひっそりと暮らす北の大地のアイドルを脅かすものがあるといいます。

温暖化がその一つ。
冷涼な気候を好むエゾナキウサギ。気温上昇が進むと、限られた生息地の環境が変化し個体数が減少するおそれがあるといいます。

人間との距離感も課題だといいます。
帯広畜産大の柳川久教授は「林道や砂防ダムの開発に加え、最近は人との接触の増加が脅威になっている可能性がある」と指摘。「かわいさだけに注目するのではなく生態を理解し、節度ある適切な距離から見守ってほしい」と呼びかけています。
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