歴史的名建築を支える「白い貴婦人」 茨城・笠間市「石切山脈」
産経新聞
東京駅に日本橋、最高裁判所――。
全国有数の建築物に使われている石材を産出している日本最大級の採石場。明治32年から続く、茨城県笠間市の通称「石切山脈」。
のどかな山間部に採石跡が刻まれた白い岩壁が古代の神殿のようにそそり立ち、湖面に鏡映しになっています。東西約10キロ、南北約5キロ、地下約1・5キロにおよび岩石帯が広がるそうです。
採れる白御影石「稲田石」は約6000万年前に海底深くで冷えて固まった「花崗(かこう)岩」の一種だといいます。
ここの石は特に品質が良く、光沢感や耐久性が高く評価されているそうです。雪のように美しい石肌は「白い貴婦人」とも呼ばれ、国内の歴史的建造物の建築材料となってきたといいます。
今は大きな建設事業で使うことは少なくなりましたが、神社や寺、墓石に生かされ、多くの人を魅了し続けているそうです。現在も職人が採掘作業を行い、年間約5000トンの石材を出荷しているといいます。