天の川に立つ 岐阜・下呂「笹洞鉱山」の蛍石
産経ニュース
真っ暗な坑道で、ブラックライトを使い紫外線を照射すると、床一面を覆う蛍石が青く発光した――。
かつて蛍石を採鉱していた岐阜県下呂市の笹洞(ささほら)鉱山。
昭和40年前後には同じ鉱脈を掘っていた別の鉱山と合わせて1日に約36トンを産出し、産出量で日本一を誇ったそうです。
蛍石はカメラや顕微鏡などのレンズに使われるほか、鉄鉱石を溶かしやすくする性質があるといいます。笹洞鉱山で産出された蛍石は大半が製鉄所に出荷され、溶鉱炉で溶かされてしまったそうです。
鉱脈が細ってきたことや、安価な外国産品が入ってきたことなどから昭和46年に閉山。長らく放置されており、地域住民からも忘れ去られていたといいます。
そんな鉱山跡に目をつけたのは、坑口周辺で蛍石を採集する「ミネラルハンティングガイドツアー」を主催する中島真一郎さん(51)。
平成28年からツアーを開始すると、石好きの子供や鉱石ファンらの間で噂となり、蛍石の採集と坑道内の見学や解説を行うツアーは、予約が取りにくいほどの人気だそうです。
かつて地域の雇用と経済を支えていた蛍石。長い年月を経て再び輝き始めています。